CASE STUDY

事例紹介

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生成AIが主導して、動画制作時間が半分かつ縦型動画のCPAが51%改善。CRAIS+の導入で変わる、マーケティングの現場

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  • 草地亮介

    株式会社ワンモア
    取締役CTO

    草地亮介

    株式会社ワンモア
    取締役CTO

    WEBエンジニアとしてWEBサイトの構築や自社メディアの運営に携わった後、株式会社ワンモアに入社。現在はCTOとして開発領域を統括する一方で、デジタルマーケティングの運用も担当している。技術とマーケティングの両面に精通し、一気通貫にデータ活用することで事業成長を支援する。近年はAI技術の導入やデータドリブンな意思決定に注力し、組織全体のデジタル戦略を牽引している。

  • 福住直樹

    株式会社ワンモア
    マーケティングディレクター

    福住直樹

    株式会社ワンモア
    マーケティングディレクター

    2015年に株式会社ワンモアへ参画。
    マーケティングディレクターとして、広告施策の立案から分析、推進までを一貫して担当。
    データに基づいた的確な戦略で、多くのプロジェクトを成功に導く。
    また、自社YouTubeチャンネルの立ち上げにも携わり、動画コンテンツを通じた顧客とのコミュニケーションを実践している。

  • 能多 将吾

    株式会社オプト
    データテクノロジーコンサルティング部

    能多 将吾

    株式会社オプト
    データテクノロジーコンサルティング部

    株式会社オプトへ新卒入社。
    SaaSセールス、データアナリスト、プロジェクトマネージャーとして、EC、コスメ、金融、通信、不動産など幅広い業種の顧客を担当。
    データとマーケティングを起点としたLTVの最大化・可視化を強みとする。
    2023年より生成AIのビジネス活用を幅広く支援する事業に従事。コンサルティングだけに留まらず、開発やAIをベースとした業務フローの最適化まで踏み込み、数多くの企業の業務効率化や売上向上を実現。
    2025年よりプロダクトマネージャーとして、LINEと生成AIを掛け合わせた自社プロダクト開発を牽引している。
    AI・データ活用における専門性と、プロジェクトを成功に導くビジネス力を武器に、顧客の事業成長に貢献する。

ガジェット・雑貨をはじめとした新製品から、出版・映画映像・音楽・アート・フード・スポーツまで、幅広いプロジェクトを掲載するクラウドファンディングサイトの「GREEN FUNDING」。同サイトを運営する株式会社ワンモアは、生成AIの可能性と向き合うため、2023年の夏よりオプトが開発したCRAIS+(クレイス プラス)を導入。現在では、日々更新される数々のプロジェクトを訴求する動画広告の制作に活用し、すでに人が手作業で制作する動画とクオリティ的にも引けを取らず、これまで以上のパフォーマンスを出す動画の制作が生成AIで可能になりました。CRAIS+を導入して生じた業務の変化について、同社取締役のCTO 草地 亮介氏、マーケティングディレクターの福住 直樹氏、株式会社オプト データテクノロジーコンサルティング部 能多 将吾が語ります。

CRAIS+の導入により、動画広告の制作時間が半分に

――CRAIS+導入前の課題を教えてください。

草地氏:今回のプロジェクトは特定の解決したい課題があってCRAIS+を導入したのではなく、弊社とオプトさまで生成AIを今後ビジネスにどう活かしていくのかを主眼に置いてスタートしたものでした。AIが生活と仕事に浸透していくなかで、どんな場面でどのように活かしていくか。過度な期待でもなく、諦めでもない、何ができて何ができないのかを正しく見極められるようにするという目的がありました。

――導入にあたって、他のAIツールとの比較はされましたか?

草地氏:オプトとは以前からセミナーで一緒に登壇したご縁より、以後も頻繁に情報交換をしながら関係性を深めてまいりました。大手ベンダーと違い、一社一社と向き合った対応をしていただける印象をもっていました。今回は、弊社が生成AIの活用について模索していたタイミングでご提案いただいたものでした。

――CRAIS+とはどのような製品でしょうか?


能多:CRAIS+は、企業のマーケティング担当者やクリエイターに向けの、個社特化型のマーケティングAIエージェント構築サービスです。個社が保有するデータを、個人を特定しないセキュアな形でAIに学習させ、AIエージェントを構築します。導入企業の業務体制や業界を深く理解したコンサルタントがスモールスタートで開発を開始し、実動を通じた改修を頻度高く行うことにより、「使いこなせる」AIエージェントを構築します。低額で始められる低リスク設計で、ガバナンスやセキュリティにも配慮した運用を行い、導入して終わりではなく“仕事のしかた”の変革までを伴走します。

――主にCRAIS+はどのように活用していますか?

草地氏:Webの動画広告の制作に活用しています。テキストや静止画だけの広告と比べ、動画広告はパフォーマンスに優れていますが、制作に手間がかかるのでCRAIS+で量産できる体制を整えています。すでに手作業でつくった動画広告と比べても引けを取らないクオリティになっていますし、成果においてはCRAIS+が生み出した動画の方が良いパフォーマンスを出すこともあります。

福住氏:動画の制作には今まで数時間を要していましたが、CRAIS+の導入により約半分に短縮されました。人間が情報を読み込む時間に比べて、CRAIS+なら必要な時間を大幅に短縮できます。当然、事実に基づかない情報がないかチェックはしますが、制作スピードは上がっています。

能多:この取り組みは2023年の夏からスタートしました。最初はメルマガの開封率向上に向けたテキスト制作やランディングページの生成などにAIの活用を開始しました。生成AIの技術の進歩に合わせて、ワンモア社の業務におけるAI活用範囲を拡げていき現在はワンモアさま独自のデータ資産をAIに活かすことで強みに昇華させる取り組みなど、より高度なAI活用へと至っています。

動画のシナリオやキャッチコピー、音声も自動生成

――GREEN FUNDINGの主要なターゲットについて教えてください。

草地氏:GREEN FUNDINGのメインユーザーは50代前後の男性です。この層に刺さる広告は、ガジェットの機能や新規性をスピーディに切り換えて見せていくスタイルで、そのストーリー制作にもCRAIS+は役立っています。

福住氏:CRAIS+は商品情報を入力するとターゲットペルソナや訴求の方向性、シナリオ、実際のコピー案などを提案してくれるので、より多様なクリエイティブを生み出せるメリットがあります。

能多:GREEN FUNDINGでは数多くのプロジェクトが運用されているので、すべてのプロジェクトに対して動画広告を制作することは難しいという問題がありました。CRAIS+を導入することで動画1本あたりの制作コストを下げつつ、豊富なバリエーションを制作することが可能になりました。

――具体的な動画制作の手順を教えてください。

能多:まず、GREEN FUNDINGの担当者がシステムに商材の情報を登録すると、AIが商品情報やUSP※を整理してデータベースに保存します。そこからAIが商材ごとのペルソナや訴求の方向性を生成するので、今度は担当者がどのようなターゲットに対して、どのような訴求をしていくのかを選択します。最後にAIが動画のシナリオやキャッチコピー、音声などの素材を生成してくれるので、それらを人力で組み合わせて一本の動画に仕上げていきます。

※「Unique Selling Proposition」の略。競合他社にはない、自社の商品やサービスだけが持つ独自の強みのこと。

草地氏:GREEN FUNDINGでは常時数十件ほどのプロジェクトが実施されています。一つひとつのプロジェクトは1〜2カ月ほどで終了してしまうものも多く、動画広告をつくってもその期間しか使えないわけです。また、複数のプロジェクトが常に同時並行で走っているため非常に回転が速く、CRAIS+で制作コストを下げられるのは大きなメリットです。

――CRAIS+の導入による具体的な成果を教えてください。

草地氏:一つのプロジェクトに対して動画広告は一つだけでなく、多いものでは数十個ほど必要になります。個々のプロジェクトを見ても最初から宣伝用の動画があるケースもあれば、ないケースもあります。前者の場合はその宣伝用動画を元に動画広告を制作できますが、後者であればCRAIS+を活用することでより効果の高い広告を生み出せます。なかには、他のクリエイティブと比較して3倍近い成果を出したケースもあります。

福住氏:動画広告は画像のみのWeb広告と比べてクリック率、コンバージョン率が高い傾向にあります。画像を利用してスライドショー的な動画広告をつくるときもありますが、CRAIS+であればそこに最適なテキストを自動で生成してくれるので非常に助かっています。

自由記述のアンケートデータを活用し、さらなる精度の向上を

――実際にCRAIS+を2年ほど活用してみての感想はいかがでしょうか?

草地氏:オプト様のすごく良い点は、能多さんをはじめ皆さんがGREEN FUNDINGのビジネスを深く理解してくださり、どんなところに生成AIが活かせるかをしっかりと考えてくれる点です。オプト様は自社内にエンジニアのチームがあるので、皆さんが実際に手を動かして制作にあたってくれる点も心強いですね。エンジニアチームがいることで、ありもののツールをただ利用するだけではなく、さまざまなツールを組み合わせて生成AIを活用できるので可能性が広がります。

――生成AIが進化したら、将来的にすべての作業をAIにお任せできるようになるのでしょうか?

能多:可能性はありうると思います。ただ、オプトの支援としてはAIによる業務効率化だけで終わるのではなく、それにより生まれた余剰の時間をどのような業務に配分するべきなのか、そういった視点でのお手伝いができればと考えています。単なる効率化以外の面でも幅広く伴走いたします。

草地氏:インプレッション稼ぎなのか「AIの進化により○○の仕事がなくなる」みたいな強い言葉を使う人がいますが、AIを活用せずに表面的な情報だけで大騒ぎすることなく、実際にビジネスベースでどれくらい使えるのかを見極めることが大切です。「もうすぐシンギュラリティ(※)がやってくる」「いやいや、現状のAIはビジネスでは使えない」などのようにAIの話は極論に飛びがちですが、それらに惑わされることなく、何ができて何ができないのか現在地を正しく理解することが大事です。

※ AI が人間の知性を超える転換点を指す概念のこと。

――今後の展望と、オプトに期待することを教えてください。

草地氏:AIのポテンシャルは高いですが、AIには苦手なこともたくさんあり、ビジネスベースに落とせないケースも多々あります。その一方、動画制作や各種レポートの制作などは人間よりも高いパフォーマンスが出せるようになっているので、得意分野を見極めて積極的にビジネスに活かす取り組みをオプト様とご一緒にできればと思います。

能多:ワンモア様は生成AIの活用が本当に進んでいる企業だと思います。今現在進めているのは、データ活用の取り組みです。ユーザー体験談のコメントやアンケートから、次のマーケティング施策につながるようなインサイトを抽出することにトライしています。これが成功すればペルソナや訴求の方向性も精度が高くなるので、今後もGREEN FUNDINGがお客さまから選ばれ続けるための支援をしていきたいですね。

草地氏:チェックボックスやラジオボタンのアンケートデータは型が決まっているので集計しやすいメリットがあります。けれども、自由記述のアンケートはユーザーによって中身がバラバラなので、人力で内容を把握するには限界がありました。AIであれば自由記述のテキストもすべて読み込んで、スピーディに傾向や特徴を抜粋できるので、それらのデータを活用して次のステップに進んでいきたいです。

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