
CASE STUDY
事例紹介
一人ひとりが自分らしく年齢を重ねていける「SMART AGING®(スマートエイジング®)」な社会の実現を目指す、化粧品会社(or化粧品ブランド)のオルビス株式会社さま。商品の開発から販売までを手がけるD2Cブランドのパイオニアである同社がオプトに依頼したことは、マーケティングのインハウス化支援でした。
マーケティングノウハウの提供だけでなく、クライアントの事業成長に伴走し「人を軸とした価値」を提供し続けるオプト。インハウス化によりオルビスの社内にはどのような変化が生じたのでしょうか。オルビス株式会社(以下、オルビス) 新規戦略部 部長 山口 直氏(以下、山口氏)と、株式会社オプト(以下、オプト) マーケティング・コンサルティング本部 執行役員:VP 伊藤 弘明(以下、伊藤)の対談を通じて明らかにします。
マーケティングのノウハウを社内に蓄積して、オルビスのレベルを上げる
――貴社の事業概要について教えてください。
山口氏:弊社は1987年に創業した、スキンケアを中心としたビューティブランドです。私たちの掲げる「SMART AGING®」とは、「自分らしく、ここちよく年齢を重ねる」ことを標榜しています。女性向けの商品はもちろん、男性向けの「メンズスキンケアMr.シリーズ」を展開しており、性別・年齢を問わず多くのお客さまにご利用いただける商品構成です。
――山口氏の過去のインタビューでは、コンプレックスに思っていた天然パーマをセットする楽しさに目覚めて、ビューティ業界に興味を持つようになったとおっしゃっていますね。
山口氏:自分の強い癖毛をコンプレックスに感じていましたが、ヘアスタイルを工夫すると「おしゃれだね」といわれるようになったんです。それまでコンプレックスだったものが自信に変わるという原体験があって、ビューティ製品や化粧品の魅力に気づき、世の中に広めたいと思い、オルビスへの入社を決めました。
――マーケティングのインハウス化を決断した背景を教えてください。
山口氏:2020年頃から新規のお客さまとの接点が減少し、お客さまのニーズに応えるためには、マーケティングナレッジを社内で蓄積し、スピーディにお客さまのニーズに応えていく必要があることに気づきました。そこでオルビスのマーケティングを進化させることが必須であると感じ、インハウス化に舵を切りました。お客さまのニーズはとても変化が激しいため、柔軟に対応し続けることが求められます。マーケティングのノウハウを自社に蓄積して、自分たちのレベルを上げていく。それがインハウス化の目的です。

社内全体にマーケティングの意識が浸透
――インハウス支援を通して得られた実績はどのようなものでしょうか?
山口氏:デジタル広告運用の一部をインハウス化したところ、CPA※を抑えつつ、新規顧客との接点を大きく伸ばすことができ、想像以上の成果が得られました。
伊藤:これまでさまざまなお客さまの支援をしてきましたが、オルビスさまは本当に社内全体にマーケティングの意識が浸透していて、その上でお客さまと向き合っていらっしゃると感じています。オプトのナレッジを活用し、オルビスさまの社内で持続的に広告が運用できる状態を目指し、媒体の活用方法や広告のアカウント構成、日々のマーケティング活動のPDCAの回し方、さらには担当の方へのティーチングやコーチング、勉強会なども開催して多方面からの支援を行いました。
※CPA(顧客行動単価):Cost Per Actionの略。広告によって誘導されたユーザーが、広告主のサイトで会員登録や商品購入など、特定のアクションに至った回数のこと。
インハウス化により数字とシビアに向き合う姿勢が身についた
――オプトの支援を通じてなにか組織に変化は生まれたのでしょうか?
山口氏:常に数字を意識しながら運用していますから、良い意味で緊張感が増したと思います。今、社内で広告運用を担当しているのは中途採用をしたメンバーですが、新卒採用をしたメンバーのなかからもインハウスでの広告運用に携わりたいという声があがるようになりました。日々の仕事に従事するだけではノウハウは蓄積されないと思っていまして、自主的に勉強をしたり数字とシビアに向き合う姿勢が身についてきたりしたことで、社内全体のマーケティングへの意識レベルが上がってきたと感じています。
伊藤:山口さんへの質問ですが、マーケティング自走化・インハウス化を実現したくてもどうやって最初の一歩を踏み出していいのかが分からない企業が多いと思います。山口さんの視点で、今お話しいただいた変化が生まれた要因とポイントがあれば教えてください。

山口氏:インハウス化自体はあくまでも手段であり目的ではない、ということをチーム全体に浸透させることが大事かと思います。自分たちでマーケティング費を活用し、より多くのお客さまに価値を提供することが目的ですから、その本質的な意味をすべてのメンバーに理解をしてもらうことが重要です。社内の方針だからと盲目的に取り組むのではなく、自分たちのミッションとして咀嚼して個人個人が意識する。そういったマネジメントが大切だと考えています。当初はオルビスのメンバーだけで自走できるのか不安でしたが、始まってみるとオプトさまからの厚いご支援に、非常に助けられました。定期的なミーティングを通して、不明な点に対してはいつでも相談を受けていただきましたし、Slackでのレスポンスも迅速で些細なことにも対応してくださいました。インハウスをスタートしてからもたびたび疑問点は出てきましたが、オプトさまのサポートのおかげで課題を残さずにスタートを切れました。
伊藤さんにはオルビスが持続的に成長できるよういろいろな面からご支援をしていただきました。きっとこれからマーケティング活動を推進するなかで、なにかしらの課題が出てくると思います。そんなときもオプトさまに依頼をすれば間違いないと思っていますので、今後も機会があれば広告とマーケティングの課題についてご相談ができればと思います。
単なる代理店ではない、“伴走パートナー”としてのオプト
――では、今後のオプトに期待したいことを教えてください。
山口氏:オプトさまは会社としての立ち位置は広告代理店に近いのかもしれませんが、そこにとどまらず、長期的にお付き合いをいただける“伴走パートナー”だと強く感じています。クライアントのインハウス支援という事業も、業界のなかでは変化球的な動きだと思いますので、これまでの慣習に囚われない価値の創出をこれからも期待したいですね。
普通に考えたらインハウス支援でクライアントを自走させるよりも、代理店として広告やマーケティングの運用を続ける方が収益が出るかもしれないわけですよね。でも、クライアントの持続的な成長を考え、長期的な視点でいろいろな取り組みの可能性を見ていらっしゃる。これはなかなかできることではないと思います。オプトさまは「人を軸とした価値」を提供する企業でいらっしゃると、今回のコミュニケーションを通じて感じました。
伊藤:広告やマーケティングの運用パートナーとしてではなく、両社の事業を成長させる伴走のパートナーとして認識いただけたことを本当に嬉しく思います。これからも支援を続けるべく、私たちも日々研鑽を続けてまいります。
