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事例紹介

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【日本駐車場開発株式会社様】足で稼ぐ営業組織にデジタルの力を導入し、営業利益が10倍に。一瞬の出会いを一生のお客さまにする、オプトのLTVマーケティング

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  • 渥美 謙介氏

    日本駐車場開発 常務取締役

  • 東 勇佑

    株式会社オプト
    営業本部
    パートナー共創部

駐車場業界初となるサブリース事業を生み出した、日本駐車場開発株式会社(以下、日本駐車場開発)さま。駐車場業界の大手企業として、駐車場事業に加え、スキー場やテーマパーク、その他事業なども手掛け、果敢なチャレンジを続けています。同社の抱えていた課題は、足でお客さまのもとに行くことを重視するあまり、デジタルマーケティングや広告宣伝とは無縁だったこと。紙の地図を片手に営業担当者がビルオーナーと利用者に営業をしていた営業スタイルが、デジタルマーケティングを導入することによりどのように変わったのか。日本駐車場開発 常務取締役 渥美 謙介氏(以下、渥美氏)と、株式会社オプト 営業本部 パートナー共創部 東 勇佑(以下、東)両者の視点でお話します。

ビルオーナーが抱える「駐車場の集客の悩み」をサブリースで解決

――まずはじめに、貴社の事業概要を教えてください。

渥美氏:日本駐車場開発には駐車場事業、スキー場事業、テーマパーク事業、新規事業という大別して4つの事業があります。メインの駐車場事業ですが、私どもが運営するのはコインパーキングではなくビル内の駐車場です。日本は建築法の関係で、一定規模以上のビルには一定規模の駐車場の附置義務があります。特に、日本駐車場開発が出店する100万人都市は土地が狭く、機械式駐車場を持つビルが多く建っています。しかし、ビルのオーナーさまからすると駐車場よりも飲食店や有名企業がテナントとして入ってくれた方がありがたいわけです。

都内のビルにオフィスを借りていらっしゃる企業も、そこまで多くの社用車をお持ちではない場合も多く、ビルの附置義務で駐車場を設けても、テナント企業が駐車場を使わないというギャップが各地で発生しています。さらに、オーナーさまは駐車場誘致のプロではないことや、ビルに大きく「駐車場利用者募集中」のような看板を掲げたら見栄えも悪く、表立った集客の難しさもあります。一方で、東京都心の駐車場料金は、月間3~5万円が相場です。つまりそれなりに価値のあるアセットが不稼働になっているという現実がありました。20年以上前にこの状況に気づいた代表が、不稼働になっている駐車場を一括で借り上げてサブリースを行う事業を開始しました。サブリース以外にもオーナーさまと利用者をつなぐ仲介事業も行っています。

「マーケティング・広告宣伝禁止令」が敷かれていた社内

――オプトが支援する以前に、抱えていた課題はどのようなものでしたか?

渥美氏:私たちは、それまで、営業担当者が足を使ってビルのオーナーさまと駐車場利用者さまに営業をしており、駐車場に行けばオーナーさまにも利用者さまにもお会いできたため、マーケティングや広告宣伝とは無縁の組織でした。しかし、時代の変化により駐車場もネットで探すニーズが増えてきて、お客さまと対面でお会いすることがなかなか難しくなってきました。しかし、「足で稼ぐ営業」は日本駐車場開発にとっての強みです。その営業担当者に、マーケティングを担当させてしまうと中途半端な存在になってしまうという懸念から、社内では「マーケティング・広告宣伝禁止令」を敷き続けてきたんです。そんな折に、たまたまご縁があってデジタルホールディングスの代表取締役会長の鉢嶺さんと弊社代表がお話をする機会があり、うちの会社にオプトの社員の方が出向してマーケティング組織をつくるという話がまとまりました。しかも、成功報酬型という条件でした。

――その提案に対して、社内からはどのような反応がありましたか?

渥美氏:最初は懐疑的な声も聞こえてきましたが、まずはテストケースとしてGoogle ビジネス プロフィールを活用して駐車場の情報を掲載し、月々50万円の広告宣伝費を2カ月投資してみたところ、年間売上が2,000万円以上増加しました。これでいかに私たちが素人だったのかが、白日の下に晒されました(笑)。

東:日本駐車場開発さまのお話を聞いて、最初から伸びしろしかないと感じていました。営業担当者の方がA3の紙の地図に、どの企業がどこの駐車場を借りて、何台空きがあるのかといった細かい情報をびっしりと書き込まれていたのです。ただ、個人のカバンのなかに入っている限り、他の人には共有できないわけですよね。そんな財産をデータ化して、誰でも閲覧できるよう、駐車場に特化した検索ポータルの構築も進めました。

不動産業界には、「レインズ」という事業者間の流通データベースがありますが、駐車場業界にはそのようなデータベースは存在せず、情報が不透明という課題がありました。この領域はオプトの得意分野ですから、必ず日本駐車場開発さまの事業成長に貢献できると確信が持てました。

オプトの支援により売上は6倍、営業利益は10倍に

――現在、オプトが行っている支援の内容について教えてください。

東:オプトから社員を出向し、先方の社内にダイレクトマーケティング本部を設置しました。

本部は、見込み顧客の可視化や、問い合わせ数の増加を目指す「営業企画部」、増加した問い合わせに対応してインサイドセールスを実施する「ネット営業部」、新規の顧客に特化した「コンサルティング営業部」という三つの部署から構成されています。お客さまからの問い合わせを増やし、お客さまのニーズに沿った的確な提案を行うために、データと向き合い、分析をして社員一人ひとりの売上や生産性を伸ばしています。

全体を統括する本部長である私に加え、マーケティングとデータ分析のスペシャリストを1名ずつ、計3名という少数部隊で成果を出すことが求められています。

――オプトの支援を通じて、売上や生産性はどのくらい向上したのでしょうか?

東:駐車場掲載数が日本一となる検索ポータルを構築したことで、お客さまからの問い合わせ数が8倍以上、売上は6倍、営業利益は10倍に増加しました。

私たちは営業利益を拡大し、日本駐車場開発さまの事業成長につながることに対してコミットしていますので、社員一人ひとりの生産性を改善することも求められています。問い合わせ数に準じて社員を増員するわけではなく、一人ひとりの生産性を伸ばし、少数精鋭で成果を出していくことを心がけています。事実、既存顧客と新規顧客ともに対応件数は以前よりも増加しています。

渥美氏:オプトにご支援いただく前と比べて、現在は約10倍の速度で成長する事業になりました。事業にとって10倍成長という数字は、とても大きな結果だと感じています。

デジタル化による形式知で、社内トップの営業成績につながった新人も

――業務をデジタル化することで、工数はどの程度削減されましたか?

東:それまで、駐車場契約時に必要だった書類や運転免許証のコピーなどの手続きをすべてオンライン化したことで、契約時におけるお客さまと社員の手間を大きく削減することができました。紙の書類をやり取りしていた頃は、契約までに2週間の時間を要していましたが、現在は1~2営業日で完結します。

もう一つの大きな変化は、問い合わせ数の増加により、地域ごとの需要と供給が見えるようになったことです。車高の高いハイルーフ車が多いエリアにも関わらず、その高さに対応している駐車場が少ないのであれば、そこには需給のギャップが発生しています。そういったエリアに対して、営業担当者が先手を打って対応できるようになりました。

――さまざまな情報をデータ化することで、業務の体系化・マニュアル化も進んでいるのでしょうか?

東:かつては売上を立てられていない営業担当者がいらっしゃると、それはアポイントメントの件数が不足していると見なされていましたので、積極的に外回りを促されていました。しかし、アポイントメントを取ることが得意な社員もいらっしゃれば、商談の成約が得意な社員もいらっしゃるわけです。日々の行動量がどのような結果につながったのか、営業支援ツールを活用することによって可視化されますので、これまで暗黙知だったものが形式知に置き換えられるようになりました。今では、インサイドセールスが足で稼ぐ営業担当者よりも利益を上げることも珍しくはありません。これも知識を体系化できたことの大きな産物です。

今後はスキー場やテーマパークとのクロスユースも視野に

――今後、オプトに期待することを教えてください。

渥美氏:売上が6倍になったことに留まらず、この領域において単独の会社で上場できるくらいのポテンシャルがあると考えています。ここからさらに10倍の事業規模にして、上場を目指したいですね。

東:その可能性は十分にあると思います。駐車場探しは、引っ越しや車を買い換えるタイミングで発生する機会が多い傾向があります。都心部では自分が希望する駐車場を借りられるケースは少なく、居住地から徒歩10分~15分の場所に借りていらっしゃるケースがほとんどです。「一瞬の出会いを一生のお客さまにする」というコンセプトのもと、お付き合いのあるお客さまに対しても、一度はご縁がなかったお客さまに対しても、積極的に必要な情報を提案していきます。

日本駐車場開発さまは、駐車場以外にもスキー場やテーマパークの事業なども手がけられています。いずれも「車」が必要な場所ですから、日本駐車場開発さまの持つアセットを存分に活かしつつ、お客さまと長期的なお付き合いをしていけるような仕組みづくりをし、日本駐車場開発さまの事業の成長とLTVの向上を支援していきたいです。

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