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変化し続けるデジタルマーケティング市場で「不変の価値」を提供する「ONE’s Data」

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  • 岩本智裕

    株式会社オプト
    マーケティング・アセット本部
    執行役員:VP

    2015年㈱オプトにエンジニアとして入社。アプリデータマネジメントツール「Spin App」の開発プロダクトマネージャー、2017年より、スマートデバイステクノロジー部 部長に従事、「ADPLAN」、「SpinApp」、「TRIVER」、「ONE’s Data」などのデータ系プロダクトの事業責任者を経て、2023年1月より、執行役員に就任。2024年4月より、当社マーケティング・アセット本部の執行役員:VPに就任。

数々のプロダクトの事業責任者を経て、2023年1月からオプトの執行役員を務める岩本 智裕(以下、岩本)が今、力を入れているのが、ポストCookie時代の統合データ活用プラットフォーム「ONE’s Data」です。さまざまなデータを集約することで、データの分断を解決し、それらのデータを可視化することで広告配信やCRM(顧客管理システム)へ活用することができるサービスです。

岩本は、変化の速いデジタルマーケティング市場において、「CPA(コンバージョン単価)至上主義では多様性に対応できない」と指摘します。岩本の見据える、現在のデジタルマーケティング市場において必要な観点に迫ります。

スマートフォンの登場で大きく変わったデジタルマーケティング市場

ーーPC時代とスマートフォン時代でユーザーの行動がどのように変わり、それによってマーケティングがどのように変化したのかをお聞かせください。

岩本:15年ほど前まで、ほとんどの人が主にガラケー(ガラパゴス携帯)とPCを使っていました。特に検索をする際は、PCで常にInternet ExplorerやGoogle Chromeを使うことが多く、ほとんど一つのデバイスで完結していました。そのため、クッキーが最強だったのです。

そこから最初に起きたマーケティングの変化は、スマートフォンの登場です。これにより、ユーザーがインターネットにアクセスするチャネルが一つではなくなりました。マルチチャネル化のスタートです。例えば、情報収集はスマートフォン、会員登録や購入はPCという場合もあります。これにより、ユーザーの行動が複雑になり可視化することが難しくなっていきます。それに合わせてマーケティングも、スマートフォンで見やすいものとPCで見やすいものを分けて考える必要があるとともに、シナリオも複雑に考える必要が生じたことが大きな変化だと思います。

ーーオプトは、20年以上前から広告効果測定ツール「ADPLAN(アドプラン)」を提供し、広告効果を可視化していました。

岩本:はい。例えばTOEICの点数やゴルフのスコアなど、数値として可視化することでステップアップしやすくなるものは多くあります。経営やマーケティングも同じで、基本的には可視化した方が良いとされています。テレビCMは、視聴率という曖昧な指標が採用されています。曖昧性があるからこそ、広告効果に対しての説明責任も軽いのです。同様に、デジタルマーケティングの市場でも、昔は効果を可視化せず、説明責任から逃れるという側面がありました。広告効果の可視化には、良い面も悪い面もあります。しかし、当時は圧倒的に良い面の方が多かったため、オプトが初めて可視化に踏み切りました。その可視化ツールが「ADPLAN」です。広告効果を見せないという世界観から、広告効果を可視化し誠実に対応する流れに変化したのです。ここから、今では当たり前に使われるCPAなどの計測が始まりました。

ーーその後、CPAが重視されてきた結果、現在ではCPA至上主義になり、その弊害が出ていると指摘されています。

岩本:例えば、ダイエットをする時に「体重が減れば良い」と、一つの尺度ばかりを気にしてしまうことがあると思います。しかし本当は、体重だけでなく、筋肉量や体脂肪率などの指標も見る必要があるはずです。昔は体重だけを測っていたかもしれませんが、現代では複数の指標を測定します。マーケティングも同様です。状況が複雑になり、指標が複数になるとともに、どの指標に重きを置くかも多様化していて、どの指標を追うかは、各社それぞれの判断になっています。今までは「CPAが低ければ良い」と進んできましたが、それだけでは多様性に対応できません。マーケティングこそ、人やプロダクトそれぞれに合った対応が必要です。そのため、単純にCPAだけを追いかけるのではなく、多様性に対応するために複数の尺度を掛け合わせる必要が出てきていると思っています。

「データのサイロ化」の解決を目指し開発された「ONE’s Data」

ーーそのような考えのなかで、「ONE’s Data」が生まれたということでしょうか。

岩本:もともと、「ADPLAN」を扱っていた頃から、広告効果についてCPAを重要視する傾向があるなかで、「ラストクリックだけではダメだ」という話はしており、さまざまな指標を見ることができるようにしていました。しかし、「ADPLAN」は一つのブラウザのコンバージョンは計測できるのですが、アプリ上でのコンバージョンの計測はできませんでした。ユーザーがスマートフォンを見てアプリをインストールし、その後にPCを見るというような行動が生まれているなかで、アプリの計測には他の計測ツールが利用されていました。2017~2018年頃は、アプリとブラウザなどでデータが分断されている「データのサイロ化」が起きていることが、課題でした。

このデータのサイロ化を解決すべく、Webの行動データやアプリの行動データ、外部の専門ツールのデータなどを統合し分析できる環境を提供するために開発したのが、「ONE’s Data」です。これにより、従来のクッキーによるCPAだけでなく、会員IDに紐づくユーザーの行動データの分析なども可能になりました。アップデートを重ね、今ではデータのサイロ化の解消だけではなく、さまざまな機能も備えています。

※ラストクリック:コンバージョン(ユーザーが何かしらのアクションを起こし、行動が成果に転換する)の直前にされたクリック。

ーー改めて、「ONE’s Data」の特徴や強みをお聞かせください。

岩本:「ONE’s Data」は、変化に対応できるようになっています。私は2012年頃からデジタルマーケティングに関わっていますが、非常に早く変わる市場だと感じています。そのため、一つのプロダクトが使い続けられるためには、市場の変化に対応できる設計が必要となります。そうでなければ、世の中が変わると、そのプロダクトは不要になってしまいます。そのため、あえて「作り込みすぎない」ということが重要でした。

デジタルマーケティングにおいては、「いろいろなところからデータを集め、それを分析し、適切なアウトプットに繋げる、もしくは適切なところにデータを共有する」ことは、中長期的に不変です。ただ、これらの行動を何のためにするかという目的に関しては、市場環境に合わせて変わります。その上で私たちは、不変的と言えるデータの収集・蓄積・活用・分析に関しては、安く、かつ堅牢に作っています。一方、分析の表現やデザインなど、世の中の変化に合わせてニーズが変わる部分に関しては、作り込みすぎないようにし、変化に対応しやすくしています。

「ONE’s Data」の強みは、デジタルマーケティング市場がどれだけ変化しても変わらない標準の部分を堅牢にした上で、時代の変化に合わせて変わる部分にはカスタマイズ性を持たせることで、世の中が変化しても使い続けられるような設計となっているところです。

計測範囲を広げることでLTVの向上に繋げる

ーー「ONE’s Data」は、LTVマーケティングという観点では、どのように活用されますか。

岩本:LTVとは、ユーザーが初めての購入を経て、その後何度も購入することだと思いますが、これらのデータをつなぎこむのは意外と難しいです。初回の購入はスマートフォン、2度目の購入はPCとなると、購入のデータが紐づかないこともあります。これらを紐づけるために、IDの統合がとても重要です。これはまさに「ONE’s Data」が当初から行っている、「データのサイロ化」の解決であり、これによりLTVの可視化に繋がっています。そういった意味で、「ONE’s Data」はLTV向上の本筋となる部分を長く行ってきています。そして、この領域を長く続けていることで、見えてきたこともあります。現在のデジタルマーケティング市場では、「AARRR(アー)モデル」で言う、Activate(活性化)=利用している人たちの行動を計測していることが多い状況です。先ほどのように、デバイスをまたぐ問題などがあるので、ユーザーの情報を紐づけるだけでもとても価値があります。

※「AARRRモデル」:Acquisition(ユーザーとの繋がり)・Activation(活性化)・Retention(継続)・Referral(紹介)・Revenue(収益化)からなる、サービスの成長フェーズを分類するフレームワーク

昨今はデジタルマーケティングが普及したことで、いよいよActivateよりも前のAcquisition(ユーザーとの繋がり)=ユーザーと繋がる段階にまで、分析や計測の対象が広がっています。この段階では、ユーザーを識別するだけでも大変です。そのため、まずはユーザーと繋がることが重要になります。LINEの友達登録やメール登録、キャンペーンコード入力などを行うことで、識別可能なユーザーとなり、Activateにも繋げられます。これを踏まえると、私たちがやるべきことは一つです。ユーザーと接し、新しい顧客体験を作る場所を設計し、そこからコンバージョンまで、ユーザーのLTVを計測・予測することです。「ONE’s Data」は今まで、計測に特化していましたが、最近ではより上流のユーザーとの接点作りを進められるようにしています。

ーーAcquisition(ユーザーとの繋がり)からActivation(活性化)、リピーターになればRetention(継続)まで、計測範囲を広げていくのは、まさにLTV向上に繋がりますね。

岩本:今までは一つのコンバージョンポイントだけをマーケティングの対象としていましたが、それだけでなく、その手前に顧客体験を作る場所を設ける必要があります。そして、その後も引き続きコミュニケーションを続けます。一つのコンバージョンポイントのみの数値を追うのではなく、私たちは、その前に顧客体験を作る場所を設けることで、より早い段階でユーザーにオプトインし、より長い計測を実現します。その結果として、LTVが向上すると考えています。

※オプトイン:ユーザーが情報を受け取る際や自らに関する情報を利用される際などに、許諾(パーミッション)の意思を示す行為。

  • ONE's Data(ワンズデータ)

    Google Cloud PlatformのBigQueryを最大活用した、データ活用プラットフォーム。ウェブやアプリでのユーザー行動を独自で開発したタグや各社計測パートナーと連携して計測可能にするとともに、各社の所有するデータプラットフォームや基幹システムのデーターベースと接合し、企業が保持するファーストパーティデータ(企業が自社で蓄積したユーザーデータのこと)のサイロ化を解決いたします。広告プラットフォーマーのサーバーサイドAPIに広く対応しており、蓄積、分析、施策活用まで一元管理いたします。

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