Interview

「仕組み作りには人の感情が欠かせない」と語る社員に、リモートワークでもチームのコミュニケーションを密にする方法を聞いてみた

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  • 高木 良和

    株式会社デジタルホールディングス

    高木 良和

    株式会社デジタルホールディングス

    2011年オプト新卒入社。メディアコンサルタントとしてモバイル広告の提案および、運用支援に従事。入社3年目に全社MVPを獲得した後、マネージャーとしてチームを牽引。2016年にはメディア戦略構築の専門部署にて部長を務め、2021年4月より現在のデジタルホールディングスのグループ戦略構築を担っている。

※本文は取材当時の情報です。

2020年7月、株式会社オプトホールディングは、株式会社デジタルホールディングスに商号を変更しました。

私たちデジタルホールディングスはダイナミックに変化することを厭わず自らも社名を変更するという覚悟のもとこれからどう歩んでいくのか。世の中の9割以上の企業がデジタル変革に苦戦する中、事業や社員を通して企業のデジタルシフトをサポートし、産業変革(IX:Industrial Transformation)に挑戦していくことこそ我々の使命だと考えています。くことこそ、我々の使命だと考えています。

このような変革期にある中、新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの働き方へ大きな変化を与えました。特にコロナ禍でリモートワークが急拡大し、画面越しでのコミュニケーションに難しさを感じる方は決して少なくなかったと思います。そこで、いち早くリモートワークを導入し、制度を整えてきたデジタルホールディングスの中でも、「仕組み作りには人の感情が欠かせない」と語る社員に、リモートワークでもチームのコミュニケーションを密にする仕組み作りと、仕事のパフォーマンスを上げる環境作りについて聞いてみました。

リモートワークでもチームのコミュニケーションを密にする「モーニングラーニング」

――高木さんはリモートワークでもチームのコミュニケーションを密にするため、ユニークな仕組み作りをしていると聞きました。

高木:モーニングラーニングですね。

――モーニングラーニング? はじめて聞いた言葉ですが、どういった仕組みなのでしょうか?

高木:モーニングラーニングは、自分で考えた言葉です。キャッチーな響きなので、結構気に入っています(笑)

簡単に説明すると、毎日の朝の時間を使い、オンラインで学びを共有する仕組みです。どの会社でも課題になっていることだと思いますが、リモートワークになると、チームのコミュニケーションがとにかく希薄になる。

――リモートワークで効率化される業務がある一方、直接顔を合わせる時間が減る分、コミュニケーションが希薄になるという話はよく聞きますね。

高木:リモートワークに慣れるとオンラインミーティングも画面オフが当たり前になり、気づいたら1年間チームメンバーの顔をろくに見ていない、なんてことがあります。

モーニングラーニングは毎日朝10時からチームメンバー全員が参加して、約20分間の朝会を行います。まずはみんなで勤怠確認をして、前日の学びを共有するんです。

――学びを共有することで、メンバーが発言する場を設けるんですね。

高木:昨年はチームに新卒が3人いたので、持ち回り制で1人が前日の学びを共有しました。それに対して、先輩2人が手を挙げてフィードバックをする。

そうすることで、まずはチームにフィードバックする文化ができるんです。さらに、学びを共有することでチーム全体の知識向上につながります。これを毎日続けて、習慣化することが大事なんです。

――なるほど。個人や少人数では難しいことでも、チームで取り組めば習慣化できそうです。

高木:習慣化するうえで大事なのは、ハードルを上げすぎないこと。例えば「筋トレをはじめるぞ!」と意気込み、1日50回ずつ腕立て伏せと腹筋を目標にする。初日は頑張るけど、50回というハードルが高すぎて3日も続かないなんてことはよくありますよね?

一度でも途切れてしまうと、「自分は筋トレもできないのか……」と自己否定をしてしまう。

――なんだかんだ言い訳をして、三日坊主になる経験は誰しもありますね。

高木:ハードルを下げると、三日坊主になりません。1日50回ずつ腕立て伏せと腹筋をやるのではなく、1日1回以上にする。そうすると、気が乗らなかったり用事があったりしても、とりあえず1回以上はやるんです。これを繰り返すことで、習慣になる。

チームのコミュニケーションも同じで、各自に本を渡して「学びを共有してください」と言っても続きません。半ば強制的に毎日時間を決めて集まり、オンラインでも顔を合わせ、学びを共有してフィードバックをする。もちろん最初は面倒くさいと思うかもしれませんが、毎日やることで習慣化し、チームのコミュニケーションが密になるんです。

現在所属しているグループ戦略部でも「モーニングダイアログ」という名称で、可能な限り参加する朝会へと形を変えて毎日実施しています。出社メンバーとリモートワークメンバーが働く場所は違えど、同じ時間を共有する機会をあらかじめ確保しておくことで、今ではメンバー全員がおのずと参加する習慣になっています。

仕組み作りには人の感情が欠かせない

――もともと関係性のあったメンバーとはリモートワーク後もコミュニケーションを取れるけど、直接顔を合わせたことがない人とコミュニケーションを取るのが難しいという話をよく聞きます。高木さんはどう考えていますか?

高木:まったく問題ないですね。そもそもリモートワーク前の状況を正として、それを再現することが間違いなんです。顔を合わせることを正としたら、どうしても「やっぱり顔を合わせないと難しいよね……」という結論になってしまう。

リモートワークだからできることってあるんです。僕もリモートワーク前、モーニングラーニングと同じように毎朝同じ時間に集まり、20分間学びの共有とフィードバックをする場を作っていました。ただ、オフィスだと物理的な場所を確保しないといけないから、人数が増えると難しくなってくるんです。

――みんながオフィスに出社していると、朝から会議や外出があるなど参加できない人もいそうです。

高木:モーニングラーニングの仕組みって、リモートワークだからできるんです。オンラインだから人数が増えても物理的な場所を確保する必要がないし、誰でも気軽に発言ができる。

オフラインじゃないとできないことって、意外と少ない。オフラインの会議みたいにホワイトボードが使いたければオンラインのホワイトボードツールがある。オフラインにこだわることは、「前のほうがいい」という固定概念にとらわれているだけなんてことがよくありますよね。

――お話を聞いていると、高木さんは仕組み作りがうまいんですね。

高木:常に工夫と勉強はしています。ゲーミフィケーションの本を読むと、仕組み作りには人の感情が欠かせないことがよくわかります。人間にとって感情は切っても切り離せないもので、いくら周りから強制されても本人にやる気がない限り動きません。だから、チームメンバーが自発的にやる気を起こす仕組み作りを心掛けています。

モーニングラーニングも学びの共有とフィードバックを習慣化することで、チームメンバーが強制ではなく自ら参加したいと思うようになりました。その自ら参加したいという感情が大事で、これがないと仕組みがうまく回りませんし、反対に自ら参加したいという感情があれば、僕がいなくてもうまく回るようになります。

リモートワーク中心の生活ではワークスペースの見直しを!モチベーションとコミュニケーションを活性化

――これまでリモートワークのメリットを聞きましたが、デメリットに感じている部分はありますか?

高木:オフラインじゃないとできないことは意外と少ないとは言いましたけど、やっぱりオフラインのほうがスムーズなことはたくさんありますよ。でも今はコロナ禍でリモートワークをしないといけない状況でもありますから、デメリットとして捉えるのではなく、どう工夫するかが大事だと思っています。

――確かに、まだリモートワークがはじまって約1年ですから、前後と比較してメリットデメリットを考えること自体がおかしいのかもしれませんね。

高木:そうですよ。人間ですから、直接会って話したほうが楽しいに決まっています(笑)

人間はこれまで何百年何千年と対面でコミュニケーションを取っていた文化があり、いきなりインターネットやデジタルツールを使い、画面越しでコミュニケーションを取るようになったので、意識して工夫しないとうまくいかないことってありますよ。

――高木さんの画面、背景に緑が多いですよね? これも意識して工夫していることのひとつですか?

高木:こだわりのひとつですね。昨年リモートワークがはじまってから引っ越しをして、自分の部屋として書斎を持てるようになりました。もともと観葉植物が好きだったので、このタイミングで緑豊かな環境にしたいなと思って。

人から「Zoom映えするためにやっているんでしょ?」なんて言われたこともありますが、緑豊かな環境にしたのは自分のためだけではなく、人のためでもあるんです。

――人のため、ですか?

高木:以前オンラインミーティングをしたとき、相手の部屋に緑があっていいなと思ったんです。画面越しのコミュニケーションでどうしても無機質な印象や雰囲気が流れがちの中、誰かが僕の画面を見たとき少しでも「いいな」と感じてもらえたらと思いまして。

それに、リモートワークだと家にいる時間が長くなるから、働きやすい環境作りが大事。僕の場合はそれが緑で、部屋に観葉植物があると気持ちが落ち着くし、目に優しい。気持ちよく仕事ができる部屋って大事ですよね。

――目を引く環境だと、会話のきっかけにもなりそうですね。

高木:他には、イスもこだわっています。観葉植物もイスも、部屋にお気に入りのアイテムがあると楽しく仕事ができるじゃないですか。もちろんお金はかかりますけど、自分がわくわくするものは人生が豊かになる。

そのわくわくに投資するって、必要だと思うんですよね。リモートワークで気持ちが落ち込みやすい人は部屋に好きなものをそろえて、テンションを上げる。まだまだ続くリモートワーク、どんな環境でもパフォーマンスを最大化させるためには、そういった環境作りも大事です。

リモートワークでもチームのコミュニケーションを密にするため、「モーニングラーニング」という仕組み作りを成功させた高木。彼の根底にあるのは、チームのリーダーとして人間の感情を大事にする気持ちと、今できることの中からベストな選択肢を探す工夫とチャレンジ精神でした。

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