Interview

広告代理業の「常識」を壊す。オプトなら必ずできる。そう信じています。

# エグゼクティブ  

  • 栗本 聖也

    株式会社オプト
    代表取締役社長CEO

    栗本 聖也

    株式会社オプト
    代表取締役社長CEO

    2010年オプト(現デジタルホールディングス)に中途入社。運用型広告のコンサルタントとして広告運用の実務に従事した後、営業部門、広告運用部門の部長を経て、2019年4月に当社執行役員へ就任、プランニング領域管掌。2021年4月より、当社代表取締役社長CEOに就任

※本文は取材当時の情報です。

なぜ私は新生オプトの代表取締役社長CEOに就任したのか

2021年4月、私はインターネット広告代理事業の上席執行役員を経てオプトの代表取締役社長CEOに就任しました。前任の金澤大輔から託されたミッションは、インターネット広告代理業として新たなフェーズに入ったオプトの舵取りです。

「厳しい戦いになる。」そう思いました。それは、コモディティ化しつつあるインターネット広告という枠組みのなかで、もう一度オプトが顧客に選ばれる理由を定義し直すことが必須条件だと感じたからです。

2021年4月の組織再編まで、オプトはインターネット広告代理事業、マーケティング支援事業、DX支援事業の3事業部体制で運営されていました。

マーケティング支援事業、DX支援事業は、収益の大半を占めるインターネット広告事業の「付加価値サービス」と位置づけられ、これらの付加価値事業をバランス良く伸ばしていくことがオプトの未来を切り拓く切り札になる。無意識のうちにそんな前提が自分にもあったのだと思います。

しかし、私の代表取締役社長CEO就任と同時に、この2つの「付加価値」事業がグループ会社へ移管されることが決定し、この前提は崩れました。

つまり「付加価値サービス」に頼らず、オプトの祖業であるインターネット広告代理店業ともう一度向き合い、仕立て直すわけです。

収益性だけを考えれば、省力化を推し進め、業務プロセスを自動化、型化し、広告の取り扱い数を増やす 体制を整えれば、収益性の改善は可能です。

最小限の人員で均質なサービスを提供できるのであれば、優秀な社員を雇用したり育成したりする必要もありません。人件費やコストを抑えられれば収益性はさらに高まります。しかし、その先に待ち構えているのは提供価値を除外視した価格競争です。

乾いた雑巾をさらに絞るようなコスト削減や、ムダを徹底的に排した合理化は競争優位を確立してこそ意味のあるもの。仕組みやプロセスは模倣されやすく、他社に模倣された途端、瞬く間に自ら仕掛けた価格競争に巻き込まれ衰退のリスクを背負うことにもなりかねません。

オプトがインターネット広告を通じて培った知見、優れた能力を持つ社員をどうしたら活かせるか。そこからオプトが顧客に選ばれる理由や競争力を高めるための旅がはじまりました。

手数料収入頼りの収益構造から脱却。業界のありたい姿を追求する

2020年を境にインターネット広告費が新聞・雑誌・テレビ・ラジオからなるマスコミ四媒体広告費を抜いたというニュースを皆さんもどこかで目にしたことがあるかと思います。

今後もインターネット広告の隆盛は続くでしょうが、私自身は現在のインターネット広告のあり方を全面的に肯定しているわけではありません。

確かに広告を掲載するメディアやプラットフォームは増え、テクノロジーの進化によってユーザーの動向を理解 しやすくなりました。その結果、一人ひとりに適した広告を出し分けることも可能になりましたが、インターネット広告のあり方に対して批判的な視線も向けられるようになっているのも事実です。

たとえば、Webトラッキング技術ひとつとっても、何気なく検索した商品の広告が訪れるサイトのすべてに表示されて「嬉しい」と喜ぶ人はそれほど多くありません。むしろ嫌悪感を覚えたり不気味さを感じたりする人のほうがはるかに多いはずです。

つまり、広告主は多額の広告費を投じて、生活者から反感を買うような状況に見舞われているわけです。でもなぜそんな状況がまかり通っているのでしょうか。私は広告代理店にもその責任の一端があると考えています。なぜなら、広告代理店が、広告の出稿量に比例して売上が増える手数料収入で成り立っているからです。

広告主、生活者の両者に不利益を与えず、社会を豊かにする方向に導く広告環境を生み出そうと思ったら、私たち自身も変わらなければなりません。手数料収入に頼った収益構造を変え、新たなビジネスモデルを打ち立てるような思い切った改革が必要です。

具体的には、広告によって得た売上に応じて報酬をお支払いいただくレベニューシェア、もしくは諸経費を差し引いた利益から報酬を得るプロフィットシェアの比率を高めるべきだと考えます。

広告手数料を稼ぐことではなく、広告を活用し顧客のビジネスを成功に導くことがゴールになれば、おのずと広告代理店の立ち位置、振る舞いは確実に変わるでしょう。

従来のように「発注する側と受注する側」でも、「依頼者と代行者」という関係でもなく、「顧客の参謀役」として同じ価値観、同じ課題認識を共有し知恵を絞り、利害を分かち合う関係性を築く。ここに新生オプトの飛躍のヒント、業界の未来を変えるポイントがある。私はそう見ています。

これを実現するには、広告代理業界が長年にわたって守り続けてきた「常識」を壊し、新たな「常識」を生み出す気概が必要です。志高く実行するイネ―プラー(後援者的創造者)が必要なのはいうまでもありません。

バリューに掲げた「踏み出そう。はみ出そう。しでかそう。」の意味

あくまでも総合広告代理店や同業他社との比較ですが、オプトは堅実さや誠実さが社風であり、私たち自身もそれを誇りに思い大切にしてきたつもりですが、もしその堅実さや誠実さが、失敗を恐れること、挑戦しないことにつながっているのであれば、改める必要があります。

「お客様からお預かりした大切な広告予算を無難に消化して収益が得られるなら、それでいいじゃないか」という考えのもとでは新しい価値は生み出せないからです。たとえ顧客からの要望であっても、より良い方法があると感じたら、勇気を持って苦言を呈する勇気も欠かせないでしょう。

求められているのは、顧客の依頼を着実にこなす「御用聞き」ではなく、顧客の事業の成長を見据えた提案ができる「参謀」であり、「失敗しないようにどうすべきか」ではなく「成功するためにどうすべきか」と考える前向きな姿勢です。

自動化、型化しても差し支えない部分は積極的に合理化を進め、それでは賄いきれない部分、こぼれ落ちてしまう部分については人が前面に立って、前例のない試みにも果敢にトライしていく。

2022年5月に策定した「踏み出そう。はみ出そう。しでかそう。」というオプトの新たなバリューには、そんな気持ちが込められています。

従来の広告代理店の枠を壊し、持続可能な新しいビジネスモデルによって顧客から選ばれる存在になる。これがこれからオプトの目指したい未来です。

そのためには、社員自らのパフォーマンスを高め、市場価値の高い存在にならなければなりません。AIでは賄えない部分にこそ勝機があり、顧客が求める価値があるからです。いまのオプトなら十分にそれを実現できるポテンシャルはあると思っています。

むろん、既存の顧客に寄り添い続けながらの取り組みです。「ビジネスモデルを変えた」と言いきるには、さまざまな障害を乗り越える必要があります。時間もかかるでしょう。しかし諦めず走り続け、必ず業界に大きな改革の波を起こすつもりです。

あなたとともに新生オプトで働きたい理由

私は、オプトがこれから進むべき方向を指し示し、最終的な経営責任を追う立場を担っています。しかし、社員に対し私が出す個別の指示がすべて正しく、オプトにとっての正義なのだから従えなどと言うつもりはありません。

社員自身が顧客の成長のために何をすべきか、広告によって何ができるかを徹底して考えることでしか正解は得られないと思うからです。

私はオプトをトップダウン型の広告代理店にするつもりはありません。むしろ、不確実性の高まる世界を前に、悩みながら、試行錯誤を繰り返しながら、顧客目線で物事が決まっていくボトムアップ型の民主的な組織にしたいと思っています。

これまでにない新しい広告代理店のスタンダードを作るのがオプトの進みたい道だとするなら、すべての物事がトップの命令一下で決まり、社員が粛々とそれを忠実にこなすよりも、多様な考えを持つ社員が知恵を出し合い議論を深めていくほうが、多少回り道をしたとしてもいい結果を導けるでしょう。

だからこそ、私たちは、他業種からの人材も求めます。さまざまな業界の知見、多様なビジネスのノウハウが新生オプトにとって、成長の原動力になると思うからです。

インターネット広告のいまをトレースするのではなく、インターネット広告の未来を描くためには多様性と変革への強い意志が欠かせません。オプトは失敗を許容し、大きなチャレンジを奨励する企業です。

ぜひ、オプトが目指す、インターネット広告代理業界の新たなスタンダードづくりに参加してください。私たちは成功の果実を顧客、そして皆さんと分かち合い、業界をよりよい方向に導くために還元していきます。

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