Interview
※本文は取材当時の情報です。2024年4月1日より、株式会社コネクトムは、株式会社オプトに統合しております。
ファーストキャリアでスーパーマーケット業界を経験し、現在は有店舗事業者向けにSaaSプロダクト『トストア』を提供する株式会社コネクトムで、カスタマーサクセスとして奔走する水村。顧客に向き合う中で大切にしている価値観、コネクトム社で働く魅力とは。
スーパーマーケット業界から未経験領域への挑戦
人と関わることが大好きで、大学時代は喫茶店でバリスタとして働いていました。来店してくださったお客様から「美味しかったよ」の声をいただけることが嬉しく、コーヒーを軸に就職活動をしました。社会人生活の1社目は、接客を重視するスーパーマーケットに入社を決めました。
しかし、実際に社員として働いてみると大好きな仕事に携われてやりがいを感じる反面、小売業界の課題が見えてきました。店舗は基本、アルバイトを中心に運営するしくみとなっています。しかしそもそもの採用難により人手が足りないこともあり、急な体調不良などによる欠員への対応が必要なことが多くありました。休みもとりづらく不定期であったため、負担が多い業界構造でした。私自身も予定していた休日が取れずに連勤になることが度々あって、4年間働くと、いよいよ肉体的な負担を感じるようになってきました。今までは仕事中心で働いてきたけれどもこれからはもっと家族も大事にしたい。そして、いつかは業界の負を解決できるような仕事がしたい。そんな思いから、大好きな接客業から離れて転職活動をする決意をしたんです。
転職活動では、これから需要があって伸びていく業界であることに加えて、知識やスキルを身につけられる業界に絞りました。未経験でも採用をしてくれた、外資系のWeb広告代理店に入社をしました。未知な仕事内容に踏み出すことに不安はあったものの、やる気だけはありました。裁量権が大きい仕事内容で、新規のお客様への営業をはじめ、実際に受注したお客様の広告運用、配信後のレポーティングまですべてを一人でこなしていく日々。外資系であることも関係しているのか、周りの社員たちは仲間というよりはライバル的存在だと感じるような社風で、わからないことはできるだけ独学で学んでトライ&エラーを繰り返しました。
がむしゃらに頑張っていくうちにお客様からも信頼してもらえるようになり自信もついていきた頃、実績が上がっていくかたわらで葛藤も生まれてきたんです。独学で学ぶには限界があります。さらなる成長を目指すためには、もっと周りと切磋琢磨し学び合い成長しあえる環境に身を置いた方がいいと考えるようになりました。
そんなとき、出会ったのがコネクトム社でした。有店舗事業者向けのマーケティング支援で集客を上げることにフォーカスしていると知り、望んでいた夢に近づけることができるとわくわくしたのを覚えています。面接に伺った際に、成長環境が整っていることやメンバー同士が支え合ってスキルを高めている社風だと知り入社を決めました。
様々なデータを駆使しながら、新しい発見を提供し続けたい
コネクトム社に入社してからは、ジオターゲティング*広告の運用コンサルタントとして働き、有店舗事業者の中でもエステ業界や飲食業界など多種多様な業界のお客様を担当しました。Web広告というくくりでは前職と同じものの、コネクトム社では位置情報を活用した広告配信をメインとしていたので、新しい学びも沢山ありました。会社の雰囲気も面接時に伝えられていた通りで、何か困ったことがあれば気軽に相談ができ、逆に私の知識を他の社員と共有し合えるような環境でした。その為か新しい刺激があり、成長できている実感がありましたね。
印象深いのは、ある美容業界のお客様に対して行った地方店舗への集客向上のための施策です。そのお客様は地方店舗への来店を促進したいという課題を抱いていました。そこでまずは、人流データや地方行政データなどのあらゆるデータを掛け合わせてペルソナを創出。ペルソナに応じたクリエイティブ制作や広告配信エリアの選定をして提案しました。それまでは、それぞれ独立したデータを統合させてペルソナを作るという発想がなかったため、その点でお客様にも新たな視点での価値貢献ができたと思っています。結果として、Web上のコンバージョン数は向上し地方店舗への集客も上げることができました。
入社して2年ほど経った2021年1月に、コネクトム社は大規模な事業ピボットを行います。新たな中核事業に「店舗集客を目的とした、店舗情報管理、分析、情報配信(広告配信含む)SaaS開発・販売事業」を据え、Googleビジネスプロフィール(GBP)を活用した店舗集客へと舵を切りました。
Googleビジネスプロフィール(GBP)とは、Googleでの検索画面をイメージしていただくとわかりやすいと思います。例えば、渋谷でご飯を食べたいと考えた時に、『渋谷 ランチ』と検索とかける方も多いのではないでしょうか。こうした時に、GoogleマップやGoogle検索の上位に表示される店舗情報を指しています。店舗情報の中には、営業時間や電話番号、クーポン情報や最新のお知らせなども含まれています。このGBPを一元管理して活用しながら店舗集客を促すSaaSプロダクト「トストア*」をリリースすることになりました。
大きな事業転換をしたもののこれまでの意識と大きく変わる感覚はなく、むしろエンドユーザーが知りたい情報と企業が伝えたい情報の架け橋になれることに対して非常にわくわくしていたのを覚えています。
*ジオターゲティング広告:IPアドレス、GPSの基地局、Wi-Fiの接続情報などのデータから利用者の位置情報を解析して、特定のエリアにターゲティングし広告配信を行うマーケティング手法。エリアを限定して顧客に最適な広告を配信できるようになる。
*トストア:飲食業や小売業、各種サービス業を中心とする有店舗事業者様向けのGoogleビジネスプロフィールやその他デジタルメディア上で公開されている店舗情報を一元管理できるクラウド型ソフトウェア(SaaS)
お客様が気づけなかった事実を伝える喜び
現在は、カスタマーサクセスとして「トストア」を導入いただいているお客様の支援をしています。GBPを運用するためのインフラ整備から、「トストア」を活用しながらお客様の課題に対する施策提案~実行など幅広く行っています。
GBPを活用した店舗集客は今では当たり前ですが、数年前までは店舗集客に寄与しているのかを懐疑的にみているお客様もいらっしゃいました。ずっと担当させていただいている大手メーカーのお客様との出会いが印象的です。まずはトライアル導入ということで数店舗のGBP管理からはじめました。運用しながらも店舗情報を管理し続けることの大切さと、エンドユーザーさんが見ている視点を伝え続けたんです。さらに、カスタマーサクセスとして、GBPのさらなる有効性を伝えるべく、エリアごとで行う施策がどのくらいの集客が見込めるのかを可視化しました。業界の平均データなども用いながらMEO*対策の重要性を伝え続けた結果、店舗情報の一元管理やクチコミ分析を簡単に行えるトストアの価値を感じていただき全店舗への導入が決定。お客様と二人三脚でGBPの運用を進めて3年経ちましたが、GBPを介した集客の割合が大幅にアップし価値を感じていただけています。
度々、カスタマーサクセスという仕事はカスタマーサポートと間違えられることがあるのですが、カスタマーサクセスは、受動的なサポートではありません。『サクセス』の文字通りお客様の事業を成功に導いていくために、お客様が気づけなかった価値をお伝えすることが最大のミッションです。ときには、GBPを越えた支援を行うこともあります。
例えば、プログラミング教室のお客様に対して、Google Search Console上のデータからキーワードとして「習い事」という検索での流入が多かったことを事実として伝えました。GBP内にも「習い事」というキーワードを入れることで、お客様のサイトへの流入が10倍近く倍増。
お客様も気づいていなかった点から、新規ユーザーの発掘ができたんです。私自身が培ってきたスキルを生かして集客に貢献できていることに大きなやりがいを感じますし、数値がアップするとエンドユーザーが知りたい情報を見つけられているという手応えがあります。
*MEO(Map Engine Optimization): 主にGoogleマップ向けの地図エンジンで検索結果が上位に表示されるために様々な施策を行うこと。上位に表示されることでビジネスの認知を拡大し、来店促進につなげることを目的に実施される。
チームメンバーとともにプロフェッショナルとして価値貢献し続けたい
コネクトム社はフルフレックスとフルリモートの勤務体系で、私は基本的に自宅で仕事をしています。とはいえ、社内のコミュニケーションに悩むことはありません。先日はカスタマーサクセスチームで半日の合宿があり、お互い持っているナレッジを共有したり、雑談したりする時間がありました。みなさん一人ひとりが勉強してスキルを高めていこうと成長志向の社員が多くてナレッジの共有にも積極的です。私自身も成長できているのを実感します。
今後の目標は、カスタマーサクセスのプロフェッショナルとして、第一人者であり続けること。GBP自体が常にアップデートを続けており、ずっと試行錯誤をし続けることが必要だからです。そのためには、お客様が気づけなかった事実にいち早く気づいて、伴走しながら事業成長の成果を一緒に創り上げていく。そしてその先にいるエンドユーザーが求めている情報を正確に伝え価値を届けていく。このサイクルを大切にしながら、有店舗事業者のさらなる発展に貢献し続けたいです。