Interview

顧客企業とお客さまを結ぶ「ファンマーケティング」をもっと広めたい 第一人者が語るその目的とやりがい

# デジタルマーケティング   # CRM   # 新卒入社   # マネジャー  

ユーザーの心の機微を捉える「ファンマーケティング」がビジネスフィールドである株式会社 オプト CXコンサルティング部チームマネージャー 長谷部早紀(2011年新卒)が、ファンマーケティングに取り組むようになったきっかけ、その魅力とやりがい、本人が感じているファンマーケティングの可能性まで、これまでのキャリアとともに語ってもらいました。

LTVマーケティング実現の一翼を担うファンマーケティング

ーー長谷部の所属するCXコンサルティング部は、顧客企業がお客さまに提供する体験をいかに良くしていくのかを考え、コンサルティングを行う部門です。主にCRMの領域で、ライト層からコア層まで各フェーズに合ったコミュニケーションを検討し実施しています。そのなかで長谷部の担うファンマーケティングは、顧客企業やそのブランド、製品のファンを対象に、より好きになってもらい、永く応援してもらうことを目的としています。これはオプトが注力するLTVマーケティングのなかでも大切な思考の一つであり、本人もまた「顧客企業とお客さまの関係をより強固にする、大切な部分を担っている」と、自覚を口にします。

「購買履歴や行動データなどの定量情報を基に、ユーザーを可視化するのがCRMとしたら、ファンマーケティングは、ファンの方の『大好き』『ずっと使い続けたい』といった定性的な情報を扱った施策を行います。たとえば、ファンの方をお招きした交流イベントの開催、グッズの共同開発などが挙げられます。こうした取り組みを通して、ファンの方の情緒的価値を膨らませて、永く商品を愛用していただくことが目的です。
顧客となる企業はメーカー様が多い印象があります。メーカー様は小売店を介して生活者とつながる構造になるため、ファンの方の生の声を直接聞き、それをブランドや製品に反映したい思いが強いのだと感じています。現在は、ファンマーケティングに関するプロジェクトを複数担当しながら、新規のお問い合わせに対する提案活動を行っています」

ーー長谷部はファンマーケティングを、「オプトの新しい価値になっていく領域」と意気込みます。これを裏打ちするのは、支援している担当者から直接いただく期待の声。私たちオプトの持つデジタルマーケティングの知見と、手触り感のあるファンマーケティングの掛け合わせによって、お客さまとより深くつながりたいと考える顧客企業は多い、と言います。

「印象的だったのは、オプトは『ドライとウエット、両方の観点をお持ちですよね』という言葉です。データでユーザーを可視化できるのと同時に、感情を理解するための手法や実行するための環境構築力があるバランスの良さを評価していただいている、と感じています。私たちもまた、扱うのは「感情」というつかみづらい情報ながら、数字や分析データという基盤があることで、ユーザーのファン度を数値化できる引き出しを多く持っていることが強みになると思っています」

ーー長谷部がファンマーケティングに出合ったのは、別の目的で参加したセミナーでした。そこで偶然出会い関心を抱いた長谷部は、その講師が主宰するゼミに参加し、専門的な知識を習得し、顧客企業の支援メニューとして提案するようになります。そこから、一歩ずつ事例を生み出すなか、「ファンマーケティングの持つ力を何度も目の当たりにしてきた」と語ります。

「スキンケアメーカー様の支援に携わったとき、社員の方のやりがいをつくれたんじゃないか、と手応えを感じられたことは大きかったです。担当者様は『アンケートなどで購入者の声を聞くことはあっても直接的な機会はめったにない』と、おっしゃいます。その点、イベントはファンの方の思いや感謝の言葉をダイレクトに受け取れる場になるので、『このブランドに携わってきて良かった』『ブランドを広げていくことに自信が持てた』と、とても喜ばれるんです。これが支援側である私にとっても、嬉しくて。ファンの方も『社員の方に会えて楽しかった』とおっしゃるので、全員が幸せな空間になるんですよ。

また、玩具メーカーさんとのお取り組みでは、『子どものころは父親と。大人になったいまは自分の子どもと買いに来ています』のようなエピソードに触れて、担当の方と一緒に目を潤ませたことも。ファンの方の言葉がその製品・サービスに携わる方の頑張れる源になっている、といつも感じています」

自ら変化を起こし、キャリアを開拓

ーーここまでファンマーケティングの手法やその可能性について夢中で話す長谷部ですが、新卒入社後のしばらくは、フロントに立つ社員を後方支援する部門の所属でした。本人の言葉を借りると、「顧客企業から見て、1.5列目、2列目に立っているようなポジション」です。そこから最前列に立つようになったいまに至るまで、どのような心境の変化と行動が生まれたのでしょうか。

「最初は、広告の仕入れ業務を担当していました。私が入社した2011年当時は、ユーザーの行動や属性に合わせて広告を表示し、クリックされたら料金が発生する、というネットワーク広告に変わる節目の頃でした。新しい機能や考え方が続々と出てくるので、広告を販売する社内の担当者がそれらを理解しやすいように情報を整理して提供することが、当時の私の主なミッションでした。その後、Web広告をより効率よく表示するための仕組みが発達したことで、複数の広告を一括管理できるツールが登場するようになり、その導入を全社推進する部署にも所属していました」

ーー複雑難解かつ日進月歩で進化を続けるWeb広告の仕組みですが、これらを分かりやすく人に伝えることを長谷部は得意としており、チームマネージャーに抜擢されるなど頼られる存在へと成長します。しかし、顧客企業側の視点を知ることでより根本的な課題が解決できるのではないかと考えるようにもなり、長谷部は徐々に現状を変えたいと考えるようになります。

「社内研修でマーケティングの広義的な概念やフレームワークの考え方に触れ、マーケティングの面白さに開眼したことも、自分の中の変化として大きかったです。顧客企業の担当者と直接向き合う仕事がしたい気持ちがどんどん強くなり、現在の前身となる部署に異動しました。しかし、それまでプレゼン資料をつくったことがなければ、顧客の前で話した経験もなく、毎日が必死でした。ただ、私は変化が好きなので、いまでは新しいことをどんどん取り入れ、お客さまに提案していくコンサルタントの仕事にやりがいを感じています」

ーー「変化が好き」という長谷部のその言葉は、本人の価値観を表してもおり、仕事やキャリアの考え方に色濃く反映されています。


「私はこれまで目の前のことに取り組むうちに『これだ』と思えるものに出会ってきました。いまの組織への異動も大きなポイントでしたし、ファンマーケティングに注力したいと思ったときも、そうでした。ですから、キャリアもまた『こうなるぞ』と決めて進んでいくよりも、偶発的な出合いに導かれ進んでいくほうが合っているように思います。『そんな考えをしていてキャリアは積み上がるの?』と思われるかもしれませんが、新人時代に広告の裏側の仕組みに携わってきた経験があるから、マーケティングに必要なデータやシステムが分かるように、必ずつながりは出てくるはずです。経験のないことに怖気づくことはいまもありますが、インプットとアウトプットを繰り返すうちにできるようになることを、私はこれまでの経験から知っています。この先も自分で仕事の範囲を決めず、時代に合わせて求められるマーケティング要素を会得しながら、そのとき注力したい領域を頑張ることが、私のキャリアの形だと思っています」

顧客企業にやりがいと勇気を提供するために

ーーファンマーケティングという自分が夢中になれる領域で、顧客企業のビジネスにもお客さまにもよい影響を生み出している長谷部の仕事ぶりは、まさに“三方良し”を体現する理想の働き方といえるでしょう。しかし、この三角形をもっと大きくしていくには、さらなる仲間が必要です。どんな人と一緒に働きたいのか。その人物像を本人はこのように話します。

「一言で表すと”粘り強い人”ですね。ファンの特徴を捉えて施策を行うためには、アンケートの設計/分析や発言の解釈など、定性的なデータへの向き合い方が重要です。その製品・サービスが愛されるポイントを考察して言語化できるスキルや、いかに定量的に成果を示すかを考え抜くスキルが大切であると感じます。とはいえ、一番は『ファンの方にも社員の方にも、幸せになってもらいたい』という強い想いがあることです。その熱意ある取り組みが顧客企業の永続的な発展に寄与していくはずですし、そんなファンマーケティングを推進したいと共感してくださる方と、よい世界をつくっていきたいです」

ーー今後も“偶発的な出会い”を探す長谷部ですが、マーケティングをフィールドにしていくことは揺るがないようです。どんなことにチャレンジしていきたいのか、そして、どのような価値を創っていきたいのか。その思いの丈とは――。


「オプトがCRMやファンマーケティングに長けた会社であることが、広く認知されるよう励んでいきたいです。そのためには、ファンの方の気持ちの高まりと売上がどのように関連しているのか可視化していく必要を感じていますし、私たちが実績をつくっていくこともまた命題だと思っています。多くの企業の方に、『自分って頑張っているな』『この仕事を続けてきてよかったな』と、強く実感していただきたい気持ちが今は強いです。まずは、これらを実現できるファンマーケティングが当たり前になることを目指し、いっそう頑張っていきたいです」

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