Interview
マーケティングの力を最大化することを目指して。CRMコンサルタント菊池の描く、理想の世界と自分のキャリア
LTVM(LTV マーケティング)により、企業の事業成長を先導する私たちオプトは、企業と顧客をつなぐCRMの重要性が、この先さらに増すと考えています。「データを扱えるだけでは不十分。ここにデータを『読み解く』力が加わってこそ、本質の発揮につながります」と話すのは、CXコンサルティング部チームマネージャーの菊池将太(2017年新卒)です。CRMコンサルタントになって5年目の菊池は、CRMの担う役割や意義をどう捉えているのでしょうか。また、CRMコンサルタントを目指したきっかけやオプトならではの仕事環境、本人のキャリア観を含め、率直に語ってもらいました。
CRMで顧客と深くつながりファン化を目指す
――菊池の所属するCXコンサルティング部は、CRM施策の立案・実行やデータ分析を行う部署です。クライアントとともに顧客の購買意欲やロイヤリティを高め、LTVの向上とファンの創出を目指しています。
「世の中を見渡しても、仕掛けがなく売れる商品はほんのわずかです。そのため、企業は顧客に対し、さまざまな働きかけを行い、商品やサービスを知ってもらう必要があります。その手段の1つが広告です。広告は新規顧客とつながるきっかけをつくる目的で行うものも多く、Web広告においてはサイト訪問者に広告を出すことで接点づくりのきっかけを増やすリターゲティング広告もあります。しかし、これは誰しもの興味関心を喚起できるとは限りません。CRMではクーポンを出したり、商品・サービスサイトの動線を改善して使いやすさを高めたりと、広告とは違うアプローチの施策を行い、それを受け取った顧客にいかに前向きに次のアクションにつなげてもらうかを考えています。つまり、広告などで新規の顧客との接点を築いたあとは、CRMの出番です。CRMを活用することで、一度しか商品やサービスとの接点を持ったことがない顧客に対し、『この顧客が企業に求めている価値はなんだろう』と類推して次の一手を講じることができます。広告によって知ることができた顧客の趣味嗜好を受け継ぎ、顧客との関係を深め、その企業や製品のファンになってもらうための良い体験づくりを行う。これが私たちCRMコンサルタントの役割です」
――そう話す菊池は現在、アパレルのクライアントのECサイト、通信サービスを営むクライアントのポイントサイトやECモールを担当。1つのプロジェクトにはそれぞれプロジェクトマネジャー、プロジェクトを具体的に動かす実務担当者、データ分析の担当者という構成でプロジェクトに取り組んでいます。
「私たちが向き合っているクライアントには、本質的なマーケティング戦略の立案を、データをもとに行っている点を特に評価いただいています。他には、CRMに特化した組織が珍しい点、広告との連携も大切ですが、逆に広告と切り分けてCRMのご支援のみも可能な点も評価をいただいています。対応の速さも評価ポイントの1つです。1つの案件にそれぞれの担当者がじっくり向き合う環境から、フットワーク軽く対応できる点がクライアントから支持されていると感じています」
――さらに、お客さまの評価を得ているもう1つのこと。それは、「考える」だけでなく、「動く」コンサルタントであることです。菊池は自分の経験を交えながら、その一端をこのように話します。
「公共交通機関のクライアントのオフィスに仲間とともに常駐していたときのことです。お客さまは以前から外部協力会社とともにとある課題と向き合っていましたが、なかなか解決に至らず悩まれていました。こうした背景から、私たちが着任したときも『何ができるの?』と、半信半疑で試されている感じはありました。そこから信頼を一つずつ積み上げていくために、とにかく「行動量」を意識しました。ただ理想を語るだけでは、“絵に描いた餅”になりがちです。その理想論と現実のつなぎ込みが大事だと肝に銘じ、主体的に行動しました。そうして、結果が出たとき、クライアントさまから喜びの声をいただけたことは、いまでも印象に残っています」
「自分のできる支援範囲を広げたい」。キャリアチェンジでCRMの世界に
――いまではCXコンサルティング部に欠かせない存在の菊池ですが、新卒入社後は広告運用を担当していました。入社2、3年目にはペースをつかみ、仕事もうまくこなせるように。しかし、仕事のイロハを知ったからこそ、1つの悩みが浮かび上がってきました。
「フレームワークとして知られる『マーケティングの4P』に自分の仕事を当てはめると、Web広告はプロモーションの中の広告の中の手法の1つであり、顧客の事業へのインパクトを考えると自分の支援範囲をより一層広げたいと悶々とするようになりました」
――悩ましさを募らせる菊池は、Web広告よりも広範にアプローチできるフィールドで、企業の課題解決にあたりたいと考えるようになり、転職を考えたことも。
「そのとき目に留まったのが、CXコンサルティング部です。チャネルにとらわれず顧客体験を改善することがミッションであり、クライアントの事業に対して広く支援できると考えました。また、就職活動の際のメンターの方が所属しており、話を聞き多様なスキルを持った人が集まっているようにも感じました。こんな身近なところに、こんなにも広いフィールドがあるとは、とその時気付いたのです。ここでなら自分の目標を叶えられるかもしれないと思い、飛び込むことを決めました」
――こうして2020年、ジョブポスティング制度を使ってキャリアチェンジを図った菊池は現在、オプトの特徴は大きく3つあると話します。
「まず、『風通しの良さ』があります。部長はもちろん、役員や社長とも直接話ができる会社は上場企業のなかでもそう多くはないと思っています。2つ目は、『案件の幅広さ』です。規模や業種の異なる多様な企業とお取引しているマーケティング会社は数えるほどしかありません。オプトでは、幅広いニーズのクライアントに対してマーケティング支援を行うことが出来ると思いました。そして、3つ目は『裁量の大きさ』です。少数精鋭の部署のため、自然と業務の幅は広く、裁量は大きくなります。その結果、さまざまな経験を通し、多様なスキルセットを得ることができます。自分の腕を磨くにしても、試すにしても、良い環境が整っていると感じます」
データの先にある、手触り感を大切に
――CXコンサルタントへの転身から5年目。この間、新しいスキルを一から積み上げてきた菊池ですが、日々データと格闘するなか、数字と向き合うだけではない奥深さがあることに気付いた、と話します。
「データを見るときによく感じるようになったことが『データはデータでしかない』ということです。データは、あくまで顧客がどのような行動を行ったかの結果の集積でしかなく、『このデータから何が言えるだろう?』を常に考える必要があると感じます。なぜなら、扱えるデータの量が洪水のように増えた現代であっても『顧客がなぜこの行動を取ったのか』その心理状態まではデータでは分からないからです。ある意味それはマーケターの醍醐味であり、今後のマーケティングに携わる人材の必須なスキルであると感じています。そういったスキルはいわば“ミーハーな人”、クライアントの商材をはじめ、何にでも興味関心を持てる情報感度の高い人が活躍しやすいのではないかと思います。具体的なデータを扱う左脳と、データから想定される事象を想像し類推する右脳、双方が求められる仕事を行えることが今の仕事の面白みだと思います。」
――クライアントのLTVの向上に照準を合わせ、力強く歩むオプト。菊池もまた会社と部署の目指す先を明確に捉え、実現に向けた主体者として信念と抱負を口にします。
「LTVマーケティングの中心でありたいと思っています。Web広告市場は、マス広告以上の市場規模となりました。ここから先の世界は、デジタルを使うことは前提でチャネルごとの個別最適ではなく顧客体験を軸とした全体最適を設計していくフェーズに移ったと捉えています。なぜなら、LTVを高めるためには顧客と短い接点での体験を創出するのではなく、初回接触から継続接触の長い目線で体験設計が必要だからです。これこそが私たちに与えられた役割だと考えています。
市場にもまだ明確な回答がないことなので、自ら創意工夫を行っていくことが重要だと考え、日々『顧客にとって理想な体験とは何だろう?』と自問する日々です。」
――菊池自身も、この方向を自分の針路として定め、世の中により広くLTVマーケティングの力を届けようと、このように意気込みを語ります。
「まず前提として、私は、自分—市場—会社のベン図の重なるところにキャリアを置くようにしています。これは自分の目指したいキャリア像ではない像で市場に評価されたり、会社にとって良いことでも自分はそう思えなかったりすると、誰も幸せになれないからです。これはメンバーにもよく話すことであり、前の部署の上司の影響を受けています。
そのうえで、私は『最強になりたい』とずっと言っています。私のなかでは、何かの分野で圧倒的なスキルをもった人物「最強」と定義しています。特定の分野で◯◯といえばこの人だよなと言われる人。私はその分野がいまはマーケティングであって、今後は全チャネルの広告分野でスキルを活かしお客さんに提供していける人になりたいと思っています。そのプロセスの1つがいまのCRMコンサルタントです。この分野に軸足をおいて、まずはLTVを高めるための一連の取り組みで、クライアントへ貢献していくことが目標です。最終的にはマーケティングが民主化されている状態がベストだと思っています。マーケティングの手法を事業にしっかり反映できている企業は、世の中に1%しかいないと私は思っています。けれども、残り99%の事業者もいて世の中は回っています。こうした人たちが等しくマーケティングの力を使えるようになるには、やはり事例をたくさん生み出し、それらをすべての企業が活用できる世界が理想です」
――マーケティングの裾野が広がり、その力を使って日本の企業が成長し続ける。結果、日本という国がどんどん良くなっていく。そんな景色と出合うために。菊池の挑戦は続きます。