UNSUNG HEROES

アラムナイ

「映画のために生きる」と言い続けたオプト卒業生が語る「やりたいこと」への向き合い方

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「企業に勤めていると、なかなか自分のやりたいことに専念する時間をつくるのが難しい」

「やりたいことはあるけれど、目の前のやるべき業務に追われてしまう」

そんな思いを抱えつつ、日々の仕事に向き合い模索している人も多いかもしれません。

自分の「やりたいこと」と、日々の「やるべき」仕事は相反するものではない。そう話すのは、オプトの卒業生である呂翼東(リョウ イットン)さん。

呂さんは幼い頃から「映画を作りたい」という思いを持ち、アメリカの大学で映画制作を専攻。オプト入社後はその経験を活かし、動画広告のコンサルティングや動画メディアの立ち上げを担当してきました。退職した現在も「Studio Opt」の一員としてオプトと関わり続けています。

そんな呂さんに、今回は「やりたいこと」と「やるべきこと」両立のヒントを聞いてみました。


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  • 呂翼東

    在日コリアン3.5世の日英バイリンガル。2011年からロサンゼルスで映画制作を学び、2015年にオプトへ入社。マーケティング戦略立案や運用型広告のノウハウをもとに動画広告コンサルタントとして活躍。2017年よりミレニアル世代向け動画メディア「McGuffin」立ち上げに参画。2019年にオプトを退職し、現在は社外からオプトのプロジェクトに関わる。プロフィールやポートフォリオはこちら

初代ゴジラを見て生まれた、映画制作への思い 



 
ライター木村

そもそも、なぜ映画作りに関心を持たれたんですか?

小学3年生の時、ゴジラシリーズ第1作を見て、全身に衝撃が走ったんです。初代ゴジラはただの怪獣バトルではなく、ビキニ環礁での水爆実験や第五福竜丸の被爆を背景に、核の恐ろしさを提起する作品でした。インパクトのある描写に込められた、力強く奥深いメッセージに感動し、自分もこんな映画を作ってみたくなりました。 

ライター木村

そこで、大学では映像制作を学ばれていたんですね。ただ、卒業後はすぐオプトに入社されています。映画関係の仕事に就こうとは考えなかったのですか。

最初はアメリカで映画に携わる仕事に就きたいと考えていました。ただ、ビザの取得が難しく、苦戦していたんです。そんなとき、友人からボストンで開催される留学生のための就職イベントに誘われ、軽い気持ちで参加したところ、オプトが説明会を開いていて面接に案内されたのです。 

ライター木村

面接ではどのような話を?

当時の人事部長やCFOと面接をしたのですが、内容は映画やゲームの話がほとんどでしたね(笑)。それまで日本企業に対して堅苦しいイメージを持っていましたが、オプトの人たちはみんなフランクで。一人ひとりのやりたいことを尊重しつつ、対話を重ねてくれる感覚がありました。

ライター木村

入社の決め手は何だったのでしょうか。

ひとつは、社員の人柄の良さ。感覚的ですが、面接を含めて「相性がいいな」と思う機会が多かったんです。 

 

また、当時のオプトは動画広告に注力しており、グローバル展開も視野に入れていました。目標としていた映画制作ではないけれど、動画にも海外にも精通している僕を高く評価いただき、自分を必要としてくれている。それならば、と入社を決めました。 

広告運用、マーケティングなどの知識を学んだ新卒時代
 

ライター木村

入社してからはどのような業務を担当しましたか?

配属されたのは、動画広告の制作やコンサルティングを行うオンラインビデオアドソリューション部です。立ち上がったばかりの部署だったこともあり、新卒社員ながら、企画、戦略の立案、動画プランニング、運用、効果測定などを一通り経験させてもらいました。 

ライター木村

大学時代の経験も活きたのでしょうか。

いえ、企画やコンサルティングなど多岐にわたる業務を行う必要があり、日々難易度が高いと思うことばかりでしたよ。加えて、日本の文化に馴染むのも大変でした。僕はそれまでインターナショナルスクールや海外の大学で生活してきたので、漢字も書けなければ、敬語も使えなかった。そんな状況のなかで、資料制作などは本当に苦戦しました。 

ライター木村

それは、大変ですね……。

しかも、元々やりたいと思っていた映像制作に携われる機会も少なくて……。仕事に慣れてくるほどに、モヤモヤが大きくなっていった時期もありました。
 

そんな時、動画制作を主に行なうオンラインビデオコンテンツ開発部から、「うちの部署に来ないか」と声をかけていただいたんです。幸い、当時の上司が「今の部署に残ってほしい気持ちはあるけれど、本人の意志を大切にしたい」と言ってくれたこともあり、映像制作により携われるならと異動しました。 

ライター木村

新しい部署ではどのような業務を? 

ファッションやスポーツ、健康など、さまざまなジャンルのハウツー動画を配信する自社メディア「Beable」で、企画と動画制作を担当していました。
 

学んできた広告企画・制作のノウハウを駆使して動画を制作したところ、再生回数は急増。1動画あたり80~100万再生を達成するメディアに成長させることができました。 

ライター木村

やりたいことができるようになったんですね。

いえ、まだまだ、やりきれていない感覚がありました。再生回数は伸びたものの、ハウツー動画という枠組み上、どうしても手作り感のある動画が多くなってしまいます。ビジネスモデルとしても、収益性に限界がありました。
 

もっと質が高く、ビジネスでも成功できる動画メディアを作りたい。そんな気持ちが部内で徐々に高まっていきました。 

新規事業の動画配信メディアを成功させるも、捨てきれなかった映画制作への思い
 

ライター木村

そのモヤモヤは、どのように解消していったのでしょうか。

納得できないならば、自分たちの手で変えようと、同じ部署の先輩たちと新規事業の立ち上げを考えました。市場リサーチからコンセプトの立案、目標の設定までをゼロから行い、社長や役員陣、上長に掛け合いました。
 

オプトには、手を挙げれば誰でも業務やプロジェクトを任せてもらえる仕組みがあるだけでなく、失敗を恐れずに挑戦することを推奨する文化があります。そのおかげもあり、事業をはじめる承認をもらえました。
 

それが、20代のミレニアル世代をターゲットに、音楽・ファッション・スポーツなどのユースカルチャー動画を配信するメディア「McGuffin」です。 

ライター木村

社内外からの評判はどうでしたか?

オプトの社員からは、ターゲット層と重なる属性の人が多かったこともあり、評判は良かったですね。営業部の同期から「かっこいいから自信を持って売れる」と言葉をかけられたのも印象的でした。
 

また、社外に大きなインパクトを与えたのが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんとCreepy NutsのR-指定&DJ松永さんとのドライブ対談動画でした。 

ライター木村

McGuffinでは、どのような業務を担当していたのですか?

動画制作における質の担保を担っていました。アメリカ留学時代に学んだ映像撮影や編集テクニックに加えて、オプトでこれまで培ってきたマーケティングスキルをうまく融合できたように思います。 

ライター木村

学んだことの掛け合わせが、大きな成果を呼び寄せたんですね。

たしかに、自分が声を上げたことが実現し、日々とても楽しく向き合えていたのは間違いありません。ただ、僕がずっと持ち続けていたのは映画制作への熱意です。心のどこかでずっと「このままでいいのか」という気持ちはありました。
 

そんな中、転機となる出来事がありました。新宿である映画を見たところ、とても良い作品だったんですね。「こんなすごい映画を撮るのは誰なのだろう?」と、ふとクレジットを見ると、なんとアメリカ時代に映画を一緒に作っていた友人の名前が出てきたのです。
 

同世代の仲間が長編映画を作り、日本の映画館でも上映されている。その事実を知った時に「これはまずい」という思いが湧き上がってきました。
 

僕も動画は作れているけれど、長年やりたいと思い続けていた映画制作に挑戦しなくてもいいのか。その思いから、映画制作に本腰を入れるために退職を決意したんです。 

「やりたいこと」と「やるべきこと」は相反しない
 

ライター木村

退職の意思を伝えた時、周囲はどんな反応でしたか?

入社当時から一貫して「僕は映画のために生きる」と言い続けてきたので、上司からは「いつかは言われると思っていたけれど、思っていたより早かったな」と(笑)。
 

ただ、せっかくオプトで実績を残してきたのに、退職して関係性が途切れてしまうのはもったいない。退職後も「Studio Opt」のメンバーとして一緒に仕事をしていかないか?という話になりました。 

ライター木村

Studio Optというのは……?

2018年に設立された社内外の人材が集う専門組織です。当時、オプトではオープンイノベーションを目的に国内外のデザインファームや個人で活躍するクリエイターを巻き込み、事業やサービス創出に力を入れるようになっていました。
 

今は僕もStudio Optのクリエイティブパートナーとして案件ごとに仕事を引き受けつつ、自分で映画制作も行なっています。 

ライター木村

オプトでの経験は、映画制作に活きると感じますか?

入社前は映画制作にしか興味がなかったのですが、オプトでの仕事を通して広告やメディアなどの映像を使った他の表現方法、ビジネス手段もあるのだと知りました。映像を通じて社会に影響を与えるためのマーケティングスキルを身につけられたことも、大きな意味があったと感じています。
 

でも、一番影響を受けたのはオプトのスピリットかもしれません。
 

オプトでは「一人一人が社長」という社是があります。その価値観がある文化の中で過ごしたことで、仕事だけでなく「自分の人生は自分でコントロールしなければならない」と自然と考えるようになりました。
 

自分は何のために生きているのか、やりたいことを実現するために日々どう行動すればいいのか。自分のやりたいことを実現するための習慣は、オプトにいたからこそ身についたのだと思います。 

ライター木村

言い換えると、「やりたいこと」と「やるべきこと」の向き合い方でもありますね。

オプト創業者で、グループCEOの鉢嶺登さんの言葉で、すごく好きなものがあるんです。それは「やりたいことと、やるべきことを一緒にしてしまえばいい」というもの。
 

自分の「やりたいこと」と、日々の「やるべき」仕事は相反するものではありません。やりたいことを日々の仕事に落とし込み、やるべき目の前の事柄に責任を持って取り組む。そうすると、いつの間にかやりたいことにおける「できること」の幅も広がっているのだと思います。
 

僕の場合は映画制作への熱意があり、それがあったから目の前の仕事にがむしゃらに取り組んだ。だからこそ、退職してもオプトと良い関係でいられているのかな、と。
 

やりたいことがある人ほど、目の前のやるべきことを大切にできるといいのかもしれませんね。 

Written by岡本実希

Interview by木村和博

Editor小山和之

Photographer加藤甫

Deskcheck長谷川賢人

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