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インターンシップはもう最善手じゃない─これからの採用に求められるもの

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優秀な人材を確保する方法としてインターンシップを実施する企業が増えています。2018年度に、新卒採用を実施している企業のうちインターンシップを実施した企業は95.9%に上り、前年よりの84.6%より11.3ポイント増加したと示すリポートもあります。

企業と学生双方から重視されているインターンシップですが、オプトは2018年に実施を辞めました。

代わりに「就活で大事なことって、なんだろう?」とメッセージを掲げ『オプトキャリアアカデミー』を開講。また、学歴、年齢、経験不問の『仲間探し採用』をスタートし、その第一弾として書類選考通過後すぐに社長面談を行う『失敗採用』を実施するなどの施策を打ち出しました。

施策の中心にいるのは、2015年に入社してから新卒採用業務を担当した深川謙蔵さん。彼なりの「新卒採用の有り様」について、聞いてみました。


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  • 深川 謙蔵

    2015年に入社してから一貫して人事戦略部新卒採用担当
    プライベートでも、別府の魅力を発信する『BEPPURISM』を運営

採用チームで掲げた「誠実で野心的な採用」
 

ライター木村

これまでの人事施策、ユニークですね。

深川

ありがとうございます。変えたのは、2017年にオプトのビジョンやイズムがアップデートされたのがきっかけですね。採用チームとして、ビジョンやイズムを体現できているかを考え直したんです。 

ライター木村

どんなふうに考え直したんでしょう?

深川

一人ひとりが学生と接するときには体現できていても、チーム全体で取り組む施策となると、実現しきれていないな、と。
 

そこで採用チームのテーマとして「誠実で野心的な採用」を掲げて、その定義をチーム内ですり合わせました。  

ライター木村

「誠実」と「採用」は結びつきやすそうですが、「野心的」は新鮮な組み合わせです。

深川

僕らにとっての「誠実さ」は嘘偽りなく真摯に向き合うこと、そして「野心的」はその上で成果を追い求めることです。
 

「真摯に向き合いながら、成果を追い求める」というテーマを掲げたことで、業務内でも迷ったときに立ち返る軸ができましたね。 

自社の魅力を発信する以前に、キャリアの考え方を伝えたい
 

ライター木村

その捉え直しは、どういった行動に結びついていったんでしょう?

深川

大きなところではインターンシップの廃止です。もともと2017年、18年、19年度の採用ではインターンシップを実施して、一定の成果はあったんですが。 

ライター木村

では、どうして。

深川

2020年度採用の施策をチーム内で検討するときに「毎年成果も出ているし、次も当然やるでしょう」と疑いなく継続していく雰囲気があり、それに違和感を持ったんです。オプトだけでなく、企業のインターンシップ実施が主流になるうちに、内容も同質化しているような印象がありました。「他社もやっているから、なんとなく上手くいっているから継続をする」というのは、思考停止なのではないかと。  

ライター木村

でも、成果が出ているなら辞める必要はないのでは?

深川

それが、学生のことを本当に考えるなら、違う道もあると思ったんです。

取り組みを見直すなかで、複数の学生が「インターンは楽しかったけど、どの会社を選ぶかはわからない」と言っているのを思い出しました。つまり、キャリアに対する考え方を持たないまま、インターンシップで社風や仕事内容を知っても、学生は混乱するだけなのではないかと気づいたんです。

 

それならば、オプトの魅力を伝える前に、キャリアに対する考え方を学べる場があった方がいいとチーム全員で『オプトキャリアアカデミー』を立ち上げました。

ライター木村

どんな内容でしょうか?

深川

一足先に社会に出て働いている先輩として、オプトの社員から、キャリアに関する講義を受けられます。また、同世代の参加者と交流する機会もあり、自分らしいキャリアの歩み方を考えられるんです。

 

「内定獲得がゴールにならないキャリアの考え方」「将来起業するためのキャリアプラン」「理系出身者による理系出身者のためのキャリア」「市場価値の落とし穴」「ライフイベントとキャリアの両立」などをテーマにした講座があり、学生は興味を持ったものを選べるようになっています。

 

選択講座の受講者で希望する人は、オプトの創業者である鉢嶺による特別講座『デジタル産業革命を生き抜く人材とは』も受講でき、ここでオプトの目指す方向性や大切にしている価値観を深く知れるようになっています。  

ライター木村

手応えはどうでしたか?

深川

参加者の9割以上の方々から「大変満足」という評価を頂戴できましたし、おそらく、例年のインターンシップと同じくらいの数的な成果も望めそうです。オプトの価値観に強く共感している人が選考に進み、既に内定承諾者が何人も出ています。 

企画を検討する前に、競合他社が発信している情報を調べ倒した
 

ライター木村

他にも見直した施策はあったのでしょうか。

深川

日々学生と接していくなかで、オプトを知るタイミングが「就活をはじめてから」だと気づいて、情報発信にも力を入れようと考えました。競合他社は就活する以前から認知されているので、この差は大きい。まずはオプトが“Innovation Agency”であり、世の中に対してこれからの企業の在り方を提示する姿勢を持っていることを発信しなくては、と。 

ライター木村

「自社のイノベーティブな資質」は、ある意味で常套句にも思いますが、いかに差別化を意識しましたか?  

深川

競合他社が発信している情報を調べ倒しました。企業の沿革やIR、ビジョン、イズム、経営陣のブログ、日々発信しているリリースなどを5年分くらい読み込むことで、どんな人がターゲットで、何を伝えたいのかを分析したんです。

 

就活をはじめたばかりの候補者が会社選びをする際に検討する要素として挙げられる、「BtoB」と「BtoC」どちらを志向する企業なのか。発信内容は「自分のため」と「誰かのため」どちらの比重が大きいのか。
 

すると「BtoB」の企業で「誰かのため」、たとえば「こういう課題を解決するためにこんな事業しているんだ」と発信している競合他社が少ないことがわかりました。
 

創業当時からオプトは「世の中をデジタルシフトして、日本をもう一度元気にしたい」と言い続け、企業のマーケティング課題の解決に向けて、一貫してデジタルマーケティングを突き詰めてきました。  

ライター木村

もともと「BtoB」の企業として「誰かのため」になる事業を展開していた、と。  

深川

上記を意識しながら、採用メッセージや会社説明の資料、採用動画など、候補者とのコミュニケーションポイント全てにオプトの大事にしている価値観を落とし込みました。

 

その一例が、ビジネスメディア「FastGrow」に掲載された「『広告代理店のビジネスモデルは崩壊する』オプト2代目社長が語る、ビジネスモデル変革のための組織論とは」という記事です。 

ライター木村

意識的に発信に取り組み、どんな成果が出たのでしょうか? 

深川

NewsPicksで400Picks, 約18,000PVほど、SNS上のコメントもネガティブとポジティブのどちらの反応も得られました。そのおかげか採用競合との候補者のバッティングも減ったんです。明確なメッセージングを図ったことで、選考に進む前から候補者自身が判断してくれるようになったのだと思います。 

会社を辞めるのは必ずしもネガティブなことではない
 

ライター木村

あらためて、新卒採用担当者として大切にしていることを聞かせてください。

深川

候補者を囲い込むために、一方的にオプトの魅力を伝えるのではなく、一人ひとりの人生に寄り添うこと。自分らしく働ける環境はどこなのか、そのためには何が必要なのかを考えながら候補者と接しています。 

ライター木村

なぜ、そこまで候補者に「寄り添う」スタンスを大事にするのでしょうか?  

深川

僕は大学生のときに休学して、国内外関係なく複数の職場で仕事をしていたことがあったんです。そこで、好きなことを仕事にして、自分らしく生活している人たちと接する機会が多くありました。「あぁ、働くって、こうあるべきだな」と思えたんですよね。

 

何の仕事をしているか、どんな勤務体系か、ではなくて……自分が納得した上で仕事を選んでいることが大事なんだと。だから候補者にも自分らしく働ける場所を選んで、仕事を楽しんでほしいなって。  

ライター木村

深川さんにとっては、まさにオプトがその場だったんでしょうか。 

深川

この会社は、大胆で。僕が就活生のときにオプトの選考で、面接担当者に「将来のビジョン」を聞きました。すると「僕は湘南でカフェをやりたいね。そのためにオプトではこんなことがしたいな。」と答えてくれた。驚きましたよ。オプトの話ではなく、その人の展望を聞かされたんですから(笑)。

 

でも、そこで「オプトという会社は、自分のやりたいことを素直に言える環境なのだ」と思えたんです。 

ライター木村

つまり、「やりたいこと」の実現で卒業することも、オプトではポジティブに扱われるということですか? 

深川

もちろん辞め方にはこだわって欲しいなと思いますが、会社を辞めることは、必ずしもネガティブなことではないはずです。外へ出た卒業生が活躍すると、自社のブランディングにもつながりますし、卒業生を通じてオプトを知ってくれた学生もいます。それに、オプトは「どこかでまた一緒に仕事ができたらいいね」のスタンスを持っていますから。

 

僕自身もプライベートで大分県別府市の魅力を発信するメディア『BEPPURISM』を運営しているので、上司との面談で「いつ別府に移住するの?」と聞かれることもありますよ(笑)。 

ライター木村

仕事以外の話もできるのはいいですね! 

深川

卒業生も、外に出てオプトの魅力を再認識するらしいです。「この規模の会社で、ここまで自由で一人ひとりの責任感を信頼して成り立っているなんてありえない」と。 

ライター木村

なぜ、成り立っていると考えますか? 

深川

理念、ビジョン、価値観に共感しているメンバーが集まり、自立しているからこそだと思います。入社の時点で「一人一人が社長」という哲学を理解しており、自ら主体的に責任を持って行動していることも大きいでしょう。 

ライター木村

会社と個人の関係はどんどん変化していくのかもしれませんね。 

深川

これからは会社に所属しなくても働ける社会になっていくかもしれない。そうなると「自分らしく働ける場所」や「自分が楽しめる環境」が選ばれる。だからこそ、採用候補者の人生に寄り添うことは、ますます重要になってくると思います。 

Written by木村和博

Editor長谷川賢人

Photographer加藤甫

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